【海外絶賛のレビュー】『ばらかもん』はなぜ最高のアニメといわれているのか

ばらかもん

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個人的にも大好きなアニメ『ばらかもん』は、国内だけでなく海外でもとても高い評価を得ています。“アニメにおける最高のキャラクター”“ユーモアと心温まる瞬間の完璧なバランス”“10点満点中11点”“日本語版で観るべき”などなど大絶賛です。この記事では、アニメの概要、海外でのレビューの詳細とその高い評価の理由も詳しくご紹介します。

『ばらかもん』とは

『ばらかもん』は、ヨシノサツキさんによる日本のギャグ漫画です。 スクウェア・エニックスのサイト『ガンガンONLINE』にて2009年2月から連載を開始しました。残念ながら2019年1月に連載は終了。単行本は、2015年の段階で400万部を超えるベストセラーとなっています。

アニメ版の『ばらかもん』は、2014年7月から9月まで全12話が日本テレビで放映されました。

ちなみにタイトルの『ばらかもん』とは、舞台の五島の方言で「元気者」という意味です。

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アニメ『ばらかもん』が高い評価を得ている点

“都会の生活で失敗した若者が、田舎暮らしを通じて自分探しをする”といった設定や、”幼い子供を通じてインスピレーションや自分らしさを取り戻す”といった設定そのものはありふれていますよね。ですが、一筋縄ではいかないのが『ばらかもん』が素晴らしいところなのです。

ここからは具体的にどういった点が素晴らしいかをご紹介します。

リアル子役声優によるリアルな小学1年生キャラ”なる”

なによりの魅力は、先に説明した主人公でもある”琴石なる”のキャラクターと、その7歳児のリアリティさ!このリアリティさには声優が大きく貢献しています。

なぜなら“なる”の声優を担当した原涼子さんはアニメ放映当時9歳だったのです。つまり声が限りなく本当の小学一年生に近かったため、とてつもないリアリティがあったわけです。

もちろん声だけでなく演技も抜群に素晴らしいですし、ばらかもんの舞台である五島の島の方言もばっちり。原さんの起用がアニメ『ばらかもん』をとても質の高いアニメにした重要なポイントだと思います。

海外からもこんな賛辞が寄せられています。

“なる”は自由の精神そのもの。幼児ならではの無邪気さと知恵がうまく混ぜ合わさった存在で、清舟が抱える問題を解決してくれる。実際の子役声優である原涼子によって命を吹き込まれた”なる”は、このアニメの魂といってもいい。

“なる”がアニメにおける最高の子供キャラクターのひとりなのは間違いない。彼女は終わりのないギャグの泉のような存在でもある。そして話し方もとても格別だ。『ばらかもん』は英語の吹き替えではなく日本語のオリジナルの声で観るべき。

自分だけかもしれないが、アニメに登場する小さな子供は、可愛さが強調されていればいるほどイライラしてしまう。要するにアニメの子供は本物の子供のようではないのだ。

だが、”なる”がそうした他のアニメの子供キャラとは違う。たとえば自分で間違ったことをした場合、赤ちゃんのようにガッカリするだけの萌えキャラとは違って、間違いを認識するし、自分で解決しようともするのだ。

引用:KOTAKU EAST “Barakamon is Touching, Heartfelt, and Utterly Wonderful”

言いたいことがうまく書かれていて、改めて”なる”の魅力を再認識できました(笑)。こんな最強の子供キャラが、方言を使ってとんでもなくくだらないことを話したり、行動を起こしたりするので、本当に可愛くて笑えるんですよね。

“なる”は一般的なアニメの子供キャラのようなキュートさはない。彼女は実際の子供であり、萌えキャラ好きを喜ばせるために作られた子供ではない。実世界に生きている子供のように、”なる”は時にはイライラもするし、出会うすべてのものを台無しにすることもある。

しかしそのエネルギーこそが、”なる”を愛おしいものにしている。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

そうそう。萌えアニメ的なキャラクターが苦手な自分がすんなり『ばらかもん』の世界に没頭できたのは、”なる”のキャラのおかげでもありました。

清舟にとって”なる”は女神として機能する。清舟が劇中で迎えるブレイクスルーやインスピレーションは、何らかのかたちで”なる”と密接に関連している。”なる”だけが清舟を(清舟本人以上に)本当に理解しているのだ。

引用:KOTAKU EAST “Barakamon is Touching, Heartfelt, and Utterly Wonderful”

“なる”と清舟のやりとりは『ばらかもん』の最高の要素だ。2人の関係は親子のようでもあり、親友のようでもある。清舟が島に到着する前、一日中畑で働いている祖父が唯一の家族だった”なる”は、孤独な生活を送っていたように思える。

だが、清舟が島に来て以来、清舟が“なる”の世界の中心になる。”なる”が清舟と過ごす全ての時間は、本当に自由な瞬間となる。

引用:KOTAKU EAST “Barakamon is Touching, Heartfelt, and Utterly Wonderful”

ただ可愛いだけでなく、ときに憎たらしくもあるリアルな子供の振る舞いが、大人が抱える問題を解決してくれる。ギャグ満載のストーリー展開のなかで、心を震わせてくれる瞬間がふっと訪れるのが本当に最高なんです…

たくさんの個性的なキャラクター

物語は、主人公であるこの2人の関係性だけにとどまらず、その他の登場人物たちも各回に大きく関わってきます。

例えば、清舟の家に勝手に入り浸る女子中学生の二人組(うち、ひとりは人に言いづらい趣味に目覚めつつあったり)、釣りにしか興味がない教頭、子供の巣立ちで悲しみに打ちひしがれる清舟の母…などなど

こうしたたくさんの個性的なキャラクターがいることによって、毎回彼らの視点を交えて様々なアプローチで物語が進み、”問題を抱えた大人が7歳児とふれあい、心を通わせていく”というありきたりな展開に向かわないようになっています。

島での生活、書道という非日常的テーマの日常系アニメ

Kanji

Photo by Niketh Vellanki on Unsplash

『ばらかもん』は、シーズンを通じて特に大きな事件が起きるわけでもない、いわゆる「日常系アニメ」に属します。ですが、田舎の離島という設定と書道というトピックによって、他のアニメとは異なるオリジナリティの高い作品になっています。

風習や暮らし方に対する都市と田舎の違い。そこから生じる清舟と島民との常識の差。こうしたギャップをうまく活かしたギャグがたくさん盛り込まれており、とても新鮮でした。

また、書道界というやや謎めいた世界も興味深く、強度のあるオリジナリティを作った要因のひとつのはず。

ただしこの「書道家」という設定は、海外のレビューを見ていると混乱を招いているようにも見えました。国外からは、何が良い”書”で何が悪い”書”なのかがわからないそうです。

アニメが描く書道の側面には問題がある。ストーリーがほぼコメディと生活に焦点が当てられているため、清舟が属する書道の世界の詳細がわからないのだ。

何が良い”書”なのか?悪い”書”とは何なのか?清舟が新しいスタイルを見出すことがなぜ有意義なのか、これらの疑問に対する回答は出てこない。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

なるほどなー。日本で生活している場合、書道に詳しくなくても、習字のお手本となるべき”書”がこんな感じで、書道家による独創的な”書”はこんな感じ、というのはボンヤリとわかりますが、これを海外に伝えるのはなかなか難しそうですね。

海外からの高い評価

ここからは改めてアニメ全体に対する海外の評価の一部をご紹介します。

特に何が起きるわけでもない『ばらかもん』が扱うテーマはとても絶妙だ。説教臭かったりメロドラマ仕立てにする代わりに、キャラクター設定に信じられないほど力が注がれている。

清舟をはじめ登場するキャラクターの多くは未熟な設定だ。だが『ばらかもん』そのものは驚くほどに成熟したアニメーションといえる。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

ギャグセンス、ユーモアもとても高く評価されています。

ユーモアも驚くほど思慮深く、一般的なアニメに期待されるよりもはるかに高い評価を得ている。漫才のような典型的な日本独特のユーモアはほとんど登場しない。キャラクターがとんでもない行動をすることでギャグが作られているのではなく、実際に子供と遊ぶことで生じる類のアクシデントによって作られている。

つまり劇中で起きる馬鹿げた出来事は、実生活に根付いているからこそギャグとして成立するのだ。

大半の日常系ギャグアニメとは異なり、『ばらかもん』はユーモアと心温まる瞬間との完璧なバランスをとる方法を心得ている。そうした瞬間が適切に配置され、意味を伝えるための演出が行われている。

多くのアニメは、”現実世界とは、たくさんの苦難の間に美しさを見出すもの”だということを理解していない。しかし『ばらかもん』はそれを理解しているので、ひとつの出来事とともに大きな感情の変化が訪れるわけではなく、そうした出来事自体がとても自然に描かれている。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

さらに、笑いだけでなく、疲れた人にもおすすめの作品とも。

あなたがもし毎日疲れた日々を送っている場合、このアニメは病的なまでに満たしてくれるだろう。島のシンプルな暮らしがあなたの心を日常から引き離してくれる。五島の人々の生活がどういったものかも詳しく観察できる。

主人公の清舟にとって島の生活とは、新しい暮らしのなかで見つけた発見であり、楽しみでもあった。そして視聴者にとっては、島に住む彩り豊かな登場人物たちがそれ以上の発見になるだろう。観る価値のある作品だ。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

そしてこちらはボロ泣きしてしまったという方。

すべてのキャラクターが愛おしかったです。皆楽しく、のんびりとしていてとても可愛らしいです。私にぴったりの登場人物たちといえます。終盤の展開で私はとても感動しました。少なくとも20分は泣き続けたと思います。今までアニメでこれほど泣いて、架空のキャラクターに対して幸福感を味わったことはありません。個人的にこのアニメは間違いなく10点満点中11点です。

引用:MyAnimeList.net Top > Anime > Barakamon > Reviews

そうなんですよねー。きっと都市生活を送っている人は旅行に行ったような気分になれますし、そして最後のレビューのように、終盤はちょっとホロっとしてしまうところもあり、本当に良いバランスのアニメです。

残念なのは12話で完結してしまうこと。漫画の連載自体が10年近く続いたことを踏まえると、やはりどうしても物足りなさを感じてしまいます。倍の話数があれば…と思いながら、一話一話を大事に鑑賞しました。

おさらい:アニメ『ばらかもん』のあらすじ

若きプロ書道家の半田清舟は、 自身の作品を「教科書のようだ」と批判した展示館の館長を、その場の感情を抑えきれずに殴ってしまいます。そんな彼を反省させるため、半田の父は、彼を九州付近の自然豊かな五島に向かわせます。

そして島での村人との出会いや交流によって自分自身と向き合い、自分なりの書道のスタイルを模索していく…といった内容です。

2人の主人公

『ばらかもん』は主人公格となるキャラクターが2人います。

半田清舟(はんだ せいしゅう)

本作の主人公のひとり、23歳の若き書道家です。前述のとおり、自分の書道スタイルを「退屈」「教科書通り」「当たり障りのない」などと批判した書道展示館の館長を殴ってしまい、その反省も兼ね、また、書道に集中するために、書家である父の提案で彼が長崎の五島に向かうところから『ばらかもん』は始まります。
五島での島民たちとの交流、特にとある少女とのやりとりによってインスピレーションを受け、彼に少しずつ変化の側面が見え始めます。島民からは”先生”というあだ名で呼ばれています。

琴石なる(こといし なる)

五島に住む小学1年生の女の子。もうひとりの主人公です。祖父と二人きりで暮らしており、半田の家に頻繁に訪れます。陽気で、子供っぽく物事を考えずに行動する天真爛漫な性格です。皆からは”なる”と呼ばれています。

まとめ

アニメ『ばらかもん』の良さを海外のレビュー・評価を交えてご紹介しました。リアリティがあり、かわいらしく魅力的なキャラクター”なる”、独特でありながら現実味があり世界でも通用するユーモア、そしてゆったりした島の暮らし。本当におすすめのアニメです。未視聴の方はぜひ。

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Photo by Jason CS Chen on Unsplash

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