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ノートパソコンは高性能なモデルも増え、DTM・音楽制作においてプロの現場でも多く活用されています。この記事では、音楽制作・DTMに最適なノートパソコンとして海外で高い評価を得ている機種を調査し、できるだけ最新モデル・日本で購入することを考慮し、おすすめのラインナップをまとめました。ご検討中のみなさんのお役に立てば嬉しいです。
Contents
海外メディアがおすすめする音楽制作・DTM用ノートパソコンとは?
海外メディアでは共通して、以下のようなことが書かれていました。
- アップルユーザー、もしくは十分な予算があるならMacbook Pro一択
- ノートパソコンのスペックは高ければ高いほど良い
- その中で、目的(どういうソフトウェアを使うか)と予算にあったマシンを買おう
DTM・音楽制作に必要なスペックとは
海外メディアでは、主に下記のようなスペックを基準としてノートパソコンを選ぼうと書かれています。
強力なCPU(特にシングルコアの性能が大事)
音楽制作に用いるソフトは「コアの数」よりもまず「シングル(ひとつの)コアの性能」が重要。並列処理ではなくシングルコアのみで動作処理が行われるソフトも多く存在するからです。優れたシングルコアが搭載されている点を前提とし、作業の効率化のため複数のCPUを搭載したクアッドコア(4つのコアを搭載したモデル)以上が理想的。
8GB以上のRAM(メモリ)
RAMの数値が大きければ大きいほど、安定した制作環境を得られます。特に2GB以上のライブラリを持つソフト音源を使って音楽制作をする場合などは、より多くのRAMがあったほうが当然良いです。8GBが標準といえます。
高速なSSD
上記のような重いソフトの読み込み時間を短縮するためには、ノートパソコン内部にSSDを搭載していることが理想です。
長いバッテリー寿命
もし携帯性や移動も視野に入れるなら、理想かつ標準的なバッテリー寿命の目安は10時間くらいです。
優れたポート(Thunderbolt 3があるのがベスト)
Mac製品に標準搭載されているThunderbolt 3ポートは、最大40 Gbit/sの転送が可能で、現在最も高速なデータ転送プロトコル。オーディオインターフェースを用いた作業でレイテンシ(遅延時間)をかなり抑えられ、時間同期も正確になるため、音楽制作・DTMで最高のパフォーマンスを発揮する規格です。これが搭載されていることが理想です。その他でベストな選択肢は転送速度は最大10 Gbit/sのUSB 3.1 Gen 2 です。
DTM・音楽制作におすすめのノートパソコン
ここからは、国内で購入することも考慮しつつ海外メディアの評価の多かったノートパソコンを順番にご紹介します。
Apple MacBook Pro 13インチ (2020年時点最新モデル)
まずはMacBook Pro。このスペックとコストパフォーマンスをベンチマークとして、後で対抗になるWindowsのノートパソコンをご紹介していきます。
主な仕様
・CPU:Intel Core i5-1038NG7 @ 2.0 GHz (4 コア)
・ストレージ:512 GB SSD
・メモリ:16 GB
・ポート:Thunderbolt 3(USB-C)ポート x 4
・バッテリー寿命:10時間
あらゆるメディアで必ずDTM(音楽制作)のおすすめ勧め機種として掲載されるMacbook Proは、名実ともに世界標準のノートパソコンです。このスペックと評価が、DTM用ノートパソコン購入における最初の決断が「Macbook Proを購入するかWindowsを購入するか」といわれる所以でもあります。
強み
プロセッサは第10世代インテルCoreプロセッサー i5-1038NG7で、クアッドコア(4つのコア搭載)。メモリは16GB、512GBのSSDを搭載しており容量もハイスペック。音楽制作に付きものの重い作業による瞬間的な負荷も問題になりません。
バッテリーはなんと最大10時間。13インチの高解像度のRetinaディスプレイによって、多数のソフトウェアを同時に起動する音楽制作に欠かせない十分な面積のスクリーンも快適です。
2019年以降のMacbook proが音楽制作・DTMにおいてなぜ優れているかは、下記エントリーでも詳しく記載しています。例えば2020年モデルのMacBook Proは2019年のiMacより優れたCPU性能だったりします。
弱み
ポートがUSB(usb type-c以外)非対応であること。既存のUSBと接続するには別売りのアダプタを用意する必要があります。とはいえ、Thunderboltの速度や規格は音楽制作で威力を発揮するため、今後はThunderbolt対応のオーディオインターフェースのラインナップは徐々に増えていくはずです。
あとは高額である点。Windowsの13インチよりも価格も高いですね。ですが、macOSのアップデートは無料、Windowsは大幅なOSアップデートの場合本体を変える必要性があり、最終的にコスパが良いのはマックではないかという意見もあります。
Apple MacBook Pro まとめ
いずれにせよMacbook Proは、文字通りプロ仕様の業界標準のツールです。デザイン、パフォーマンス、実績どれをとっても最高峰。予算に余裕があり、本格的なDTM・音源制作環境を目指すのであれば購入すべきラップトップです。
若干20歳で宅録・DTMをメインに1億円以上稼いでいるシンガーもマックブックを使っています。もう定番なんですよね。
【高スペック×コスパ×安心の国産ノートパソコン】DAIV 5P
マウスコンピューターのBTOノートパソコンです。国産なのでもちろん海外メディアには載っていません。ですが、DAIV 5Pは、海外メディアが音楽制作にお勧めするノートパソコンと同等のスペックを誇り、コスパがそれらよりもかなり良いため掲載します。著者が音楽制作に使用しているノートパソコンもこの前身モデルです。
主な仕様
・CPU:インテル Core i7-10750H プロセッサー 6コア/ 2.60GHz
・メモリ:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
・ストレージ:512GB (NVMe対応)
・ポート:USB3.0×3 USB3.1×1
・バッテリー寿命:18時間
強み
マウスコンピューターのDAIV 5Pは、上記項目いずれにおいてもMacBook Proに引けを取らない性能かつ、15インチのディスプレイで、15万円強で購入可能です。BTOでメモリやストレージも増強可能。
MacBook Proとの簡単なスペック比較表も作ってみました。
MacBook Pro | DAIV 5N | |
---|---|---|
CPU | インテル Core i5-1038NG7 @ 2.0 GHz (4コア) | インテル Core i7-10750H 2.60GHz (6コア) |
RAM | 16GB | 16GB |
SSD | 512GB | 512GB |
バッテリー寿命 | 10時間 | 約 7.7時間 |
ポート | Thunderbolt 3*4 | USB3.0*3 /USB3.1*1 |
サイズ | 13インチ | 15インチ |
参考価格 | 207,680円 | 179,800円 |
日本国産のノートパソコンのため、海外からの評価はありませんが、その一方、海外製品よりもスムーズにサポートが受けられるのも安心材料ですね。
弱み
バッテリーが大きいのが難点。持ち歩きを想定しなければ気にならないでしょう。
また、国産のため海外メディアでのレビューはなく、第三者の評価が少ないのはちょっと気になります。ですが著者は前身モデルを1年使い、大きなトラブルは特にありません。独特のキーボード配置も慣れました笑。
音楽制作とは別の感想ですが、ウェブカメラがディスプレイの下にあるのが地味に不便です笑。ですが最新版はディスプレイ上部についているのでご安心ください。
DAIV 5N まとめ
・海外メディアが推奨するスペック(MacBook Proにも近い)を安価に購入できる
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-10750H プロセッサー 6コア/ 2.60GHz |
グラフィックス | GeForce RTX 2060 |
メモリ | 16GB PC4-21300 (※) |
M.2 SSD | 512GB NVMe対応(※) |
液晶パネル | 15.6型 フルHDノングレア |
※:BTOなのでスペックはオプションとして増やすことが可能です。
以下でも最新のDAIVを詳しく説明しています。
著者は、2019年に前身モデルとなる『DAIV-NG5510H1-M2SH5』を用いてDTMで制作し配信で収入を得ています。まだまだお小遣い稼ぎ程度ですが、長期的な視点で挑んでます。こちらもDAIV 5Nでの音楽制作の参考になるのではないでしょうか。
【専門家イチオシ】DELL XPS 15
多くの海外メディアでMacbookの対抗馬として常に名が挙がるのがDELL XPS 15。以下はメモリを16GB、SSDを512 GB、CPUをインテル第9世代にした際のスペックです。
主な仕様
・ストレージ:512GB M.2 PCIe NVMe SSD
・メモリ:16GB DDR4-2666MHz, 2x8G
・CPU:第9世代 インテル® Core™ i7-9750H
・ポート:USB-C 3.1 x 2、Thunderbolt™ 3 x 1
・バッテリー寿命:10時間程度
強み
DELL XPS 15に搭載できるCPU『第9世代 インテル® Core™ i7-9750H 6コア』は、2019年モデルのmacbook Pro 15インチモデルでも搭載されていました。バッテリーもおよそ10時間持ち、DELL XPS 15がMacBook Proの対抗馬になる理由がわかりあます。
また、トラックパッドやキーボードの使い勝手も良いという評価を多く見られ、長時間の作業でもストレスがなさそうです。
ガジェット系のメディアとして有名なエンガジェットの編集長テレンス・オブライエンは、HP x360、Surface Book 2とDell XPS 15の中で音楽制作をするならば、Dell XPS 15を買うだろうと述べています。 心強い発言ですね。
弱み
実は前身モデルでは「レイテンシの値が大きい」という指摘をいくつか見かけました。レイテンシの値が大きいと、外部入力の音がパソコン内部の音源よりも遅れて再生されるため、ライブパフォーマンスやDJでの使用の際に問題が生じますが、音楽制作に利用するのならオーディオ・インターフェイス経由で再生するため、大きな問題にはなりません。
なにより新しいXPSには、前身モデルには無かったThunderboltポートが搭載されているため、これをメインに使用すれば大きな遅延は生じないはずです。
Dell XPS 15 まとめ
専門家のお墨付きを得ており、Macbook Proと比較しても引けを取らないDell XPS 15シリーズ。日本でのレビューも見つけ次第アップデートしていきます。
【予算を気にしないなら】レノボ ThinkPad P52
主な仕様
・OS:Windows 10 64ビット
・モニター:15.6型 フルHDノングレア
・ストレージ:512GB
・メモリ:16GB PC4-19200
・CPU:インテル® Core™ i7-8750H
・ポート:USB3.0 x 3
強み
Lenovo ThinkPad P52は、ThinkPadシリーズの最新のモバイル・ワークステーションです。高速プロセッサ、大容量のRAM、およびかなりのサイズのSSDハードドライブを備えています。プロセッサ集約型のグラフィック編集およびレンダリングタスク用に設計されており、多数のソフトシンセ、エフェクト、オーディオトラックを使用しても、大規模なDAWプロジェクトを処理するのに十分な能力を備えています。最大8時間強という、Macbook Pro並みの長時間のバッテリーも良いですね。
こちらの海外のフォーラムredditでは、Macbook ProからWindowsに乗り換えを検討しているユーザーが、P52を買おうとしており、他のユーザーから多くのおすすめの声が出ています。レノボの別機種T470にMacbook Proから乗り換えたユーザーも10点満点中10点満足してるとか。Thinkpadの信頼度、凄まじいです。
弱み
これはすべての高性能のマシンに言えることですが、ThinkPad P52は熱くなる傾向があります。プロセッサに負荷がかかるタスクが開始されたときに、冷却システムがCPUを冷却するのに十分なほど速く起動しないことがあります。しかし、ファンが動き出した後は、気温は通常より許容レベルまで下がります。また、それなりに高価なのは難点といえるかもしれません。
Lenovo ThinkPad P52 まとめ
Lenovo ThinkPad P52は、驚くほどのスピードとパフォーマンスを発揮するマシンと評価されています。オーディオやMIDIを扱うだけであれば余裕でこなせるほど。動画制作などグラフィック・ソフトの利用も想定したパフォーマンスを希望しているなら、これは最適なノートパソコンといえるでしょう。
【大画面×ハイスペック】ASUS ROG GL703GM-DS74
主な仕様
・OS:Windows 10 64ビット
・モニター:17.3
・ストレージ:256GB + 1TB FireCuda SSHD
・メモリ:16GB
・CPU:インテル® i7-8750H 6コア
・ポート:USB3.0 x 5
強み
台湾に本社を置くASUSのゲーム用ノートパソコンROG GL703GM-DS74。今日のゲームはかなり多くのコンピュータ・リソースを要求されます。ROG GL703GM-DS74は、そうした要求を処理するのに十分なスペックを持っており、同じく多くのリソースを割く必要があるDTM(音楽制作)に対しても問題なく対応してくれるでしょう。
上記のとおり、MacBook Proの最新版と遜色のないスペック。さらにゲーム用PCのため、画面のサイズは17インチ、グラフィックシステムもハイスペックでとても見やすいディスプレイを搭載しています。長時間利用による加熱対応も備えています。2つの防塵トンネルがゴミを外に出すため、ファンに埃が溜まりにくくなるそう。USBポートも5つと十分ですね。
弱み
アマゾンなどのレビューを見ると、不満として上がっているのが、ファンがうるさいことと、バッテリー寿命が短いこと。前者はその特徴的な仕様によるもので、後者は外での利用を想定したつくりではないからではないでしょうか。トラックパッドの動きがちょっと微妙とも。
ASUS ROG GL703GM-DS74 まとめ
ゲーム用に設計されたASUS ROG GL703GM-DS74のスペックはノートパソコンの中でもかなり高いです。バッテリーの寿命が短いこと、それなりの重量がある点からライブ演奏時や持ち運ぶことよりも、スタジオでの使用に適しているといえます。17インチの液晶も他のノートパソコンでの作業よりも断然効率性が高いでしょうね。
【持ち運びやすさと見た目なら】HP Spectre x360 13
主な仕様
・OS:Windows 10 64ビット
・モニター:13.3
・ストレージ:512GB SSD
・メモリ:16GB
・CPU:インテル Core i7-1065G7 プロセッサー
・主なポート:USB3.1 Gen1 ×2 / USB Type-C 3.1 Gen1 ×1
HP Spectre x360は、タッチスクリーン・ディスプレイを備えた、見た目も美しいノートパソコンです。好きな時にタブレットに変換して作業が行えます。ですが、音楽制作で高く評価されている点は、スペックは、パワー、ストレージ、接続性です。
ストレージは、他のノートパソコン同様、512GBもあり、SSD。十分ですね。 16 GBのRAMメモリであることを踏まえると ファイルやDAWや他のプラグインソフトウェアを簡単に読み込んでくれます。
外付けのハードディスクなどとの高速データ転送に役立つThunderbolt 3ポートも搭載。2つのUSBポートは、どちらもType-C 3.1型です。
HP Spectre x360は、タッチスクリーンを搭載しています。マウスやトラックパッドだけではなく、指でDAW内のオブジェクトやレベルを調整することが、制作の効率化に役立つかもしれません。
強み
第10世代 インテル® Core™ プロセッサー搭載
制作に十分な大容量SSDとメモリ
Thunderbolt搭載
タッチスクリーンが制作に役立つかも
弱み
屋外では画面が薄暗く見える
熱を持ちやすいという評価がいくつかある
DTM(音楽制作)に求められるノートパソコンのスペック
海外メディアでは、以下のようなスペックに基づいて最適なノートパソコンを紹介していました。
DTM・音楽制作に最適なスペック
- ストレージ容量:少なくても256GB/ 最適なのは512GB/理想は1TB
- RAM(メモリ)容量:少なくとも6GBはあるべき。理想は8GB以上
- CPU:インテル i5またはi7の4コア以上
- ポート:2つ以上のUSBポート、HDMIポート、Thunderbolt 3ポート
- OSのバージョン:最新であるべき
- DVD RWドライブ:なくても良い
- 予算:10万円以内でも可能。ただし予算が多い方がスペックが高いものを買え、作業しやすい環境が手に入る
それなりのスペックを求められます。なぜなら音楽制作には当然DTMソフトウェアを起動させる必要があるからです。したがって、音楽制作ソフトウェアの必要動作環境を最低限のベンチマークと捉え、それを快適に操作できるノートパソコンを選択することがまず前提となるのです。
DAWの代表的なソフトウェアであるPro ToolsとAbleton Liveの必要動作環境を抜粋してみました。(※いずれも2019年5月時点のスペックですので、参考程度に捉えてください。)
Pro Tools 12
マッキントッシュの場合
・Mac OS X 10.11.6, macOS 10.12.6 あるいは 10.13.6のOSを搭載したIntel® Mac
・Intel® Core i5 プロセッサー(Pro Tools Standard), Intel® Core i7 プロセッサー(Pro Tools HD)
・16GB RAM (32GB以上を推奨)
・インストールに15GBのディスク空き容量が必要
・HDXまたはHD Nativeカードを使用する場合にはPCIeスロット(マザーボードに1つの電源供給コネクターが必要)、サポートされるPCIeシャーシを使用するためにはThunderboltポートが必要
・または、CoreAudio対応オーディオ・インターフェースの使用に、USBポート、FireWireポート、Thunderboltポートなどが必要Windowsの場合
・Windows 8.1(64 bitのStandard/Pro エディション)、またはWindows 10 (64 bitのHome/Pro/Enterprise エディション) を搭載したIntel® PC
・Intel® Core i5 プロセッサー(Pro Tools Standard)、Intel® Xeon® プロセッサー(Pro Tools Ultimate)
・16GB RAM (32GB以上を推奨)
・インストールに15GBのディスク空き容量
・HDXまたはHD Nativeカードを使用する場合にはPCIeスロット(マザーボードに1つの電源供給コネクター)
・または、ASIO対応オーディオ・インターフェースの使用には、USBポート、FireWireポート、など引用元:Pro Tools システム要件
Ableton Live 9
マッキントッシュの場合
・OS X 10.11.6以降。macOS
・Intel® Core™2 Duo Processor(Intel® Core™i5 processor以上を推奨)
・4GB RAM(8GB以上推奨)Windowsの場合
・Windows 7、Windows 8、Windows 10
・64ビットIntel®、および、AMDマルチコアプロセッサー。 Intel® Core™ i5プロセッサー以上推奨
・4GB RAM(8GB以上推奨)引用元:Live 10の必要動作環境
Pro Toolsと比較するとAbleton Liveはメモリ4GB推奨、容量も少なめ、他の項目の数値も低いですが、この値を目安に購入することは避けるべきでしょう。なぜならDTMにおいては複数のアプリケーションを同時に起動するため、スペックは高ければ高いほど望ましいからです。
【まとめ】自分に合うノートパソコンの選び方
MacかWindowsか
様々な意見を見ましたが、現時点の結論としては、本気で音楽制作をする場合、もしくは購入時に予算に余裕がある場合はMacにすべきだと感じました。そう思う大きな理由の一つとして、Thunderboltが標準搭載されている点があります。
Thunderboltはインテルがプロのオーディオを念頭に開発した規格
Thunderboltは、インテルとアップルがプロのオーディオや動画アプリの利用を念頭に開発した規格です。そのため遅延(レイテンシ)が少ないこと、正確な時間同期が行えることに重点が置かれており、実際に最新の規格Thunderbolt 3は、現在最も高速なデータ転送プロトコルです。
つまり、レイテンシのないオーディオインターフェースが欲しい、複数のモニターや外付けの高速グラフィックカードを駆動する必要がある、という場合、Thunderbolt 3が最適の選択肢になるのです。
海外メディアでは『MacとPC(Windows)のどちらを買うべきかに迷ったら、まず以下の点を考慮すべき』ともありました。以下ポイントのうち、少なくとも2つに当てはまる場合、Mac購入しても問題ないとのこと。
- すでにMacユーザーで、操作に慣れている
- エンジニアリングなどで音楽業界で採用される可能性を高めたい
- Logic Pro Xを使いたい
- 予算に余裕がある
逆に言うと、あてはまらないならWindowsでも良いということですね。プロになるわけではなく、購入時の予算も限られているならWindowsも大いにアリです。
なぜノートパソコンか
すでに音楽制作・DTM専用のデスクトップを持っていも、近年ノートパソコンは音楽制作・DTMに不可欠なツールになりつつあります。この理由の一つにも、またThunderboltが関わってきます。
以下は、数多くの音楽著書の執筆やメジャー作品のプロデュースなども行ってきた音楽業界の権威の一人でもあるクレイグ・アンダートンの発言です。
現在オーディオ業界では、大規模スタジオの衰退に伴い携帯性とデバイスの独立性がますます重要になってきている。デスクトップはかさばるうえにポータブルレコーディングに不便なだけでなく、騒音も気になる。
しかしThunderboltを搭載したラップトップ(ノートパソコン)なら、コンパクトで持ち運びが容易で静かなレコーディング環境を実現し、音響的に豊かな空間で弦楽四重奏曲の録音など、高品質のレコーディング現場を可能にする。
最先端のラップトップ(ノートパソコン)は、最先端のデスクトップと同レベルのパワーには到達できない。だが音楽制作で必要とされる低レイテンシと正確な時間同期に重点が置かれたThunderboltを搭載したノートパソコンは、パフォーマンスと携帯性のいいとこどりができる。
Thunderboltは、モバイルオーディオ制作の新しい選択肢を開くことになるだろう。
参照:https://www.uaudio.jp/blog/thunderbolt-basics/
ノートパソコンは、どこでも録音・ミックス・作曲ができるうえ、Thunderboltによってミュージシャンにとってデスクトップよりも優れたポータブルスタジオになりつつあります。
最終判断は『自分がどういった目的で使うのか』にゆだねられる
海外メディアでは、最終的にはノートパソコンを購入する前に、どういった音楽をどういう風に作るのかを整理してみるべきとありました。
例えばヒップホップやダンスミュージックのようなビート・メイキングがメインの場合、ノートパソコン内部で作業を全て完結することもできます。一方、ギターやキーボード、ボーカルの録音がメインになる場合、オーディオインターフェースの利用は必須になるでしょうし、そうするとレイテンシなども考慮する可能性が出てきます。
ミキシングやマスタリングまで全て自分でやりたいのであれば、利用するソフトが増える為、初期投資の予算がさらに必要になりますよね。こうした視点も考慮して検討すべきということでしょうね。
おまけ
音楽制作・DTMにお勧めのノートパソコンに関する、具体的な海外の記事をいくつかを最後にご紹介しておきますね。
【2019年 DTM用ノートパソコン ベスト10の紹介】
“マックユーザーは、MacBook Proで音楽制作をエンジョイできるはずだ。
PCユーザー向けで最適なノートパソコンは、Lenovo ThinkPad P52だ。
もしコスパに優れたマシンを探しているのなら、ASUSをチェックしよう。”https://musicproductionnerds.com/best-laptops-for-making-music
【音楽制作用ノートパソコン ベスト10】
“私は2006年にLogic Expressを使って音楽制作を始めて以来、MacとWindowsの行き来を数回繰り返し、現在は2016年に購入したMacBook Proを利用している。
音楽制作に適したノートパソコンを選択する際、主にチェックすべき要因は以下の3つだ。
・主に使用するDAWソフトウェア(DTM)が何か
・CPU:最速のプロセッサを搭載したものを買おう
・RAM:ソフトウェアを大量に使用する制作には、より多くのRAMが必要だ。最低でも8GBはあるべきhttps://www.audiomentor.com/reviews/top-10-best-laptops-for-music-production
【どれが音楽制作にベストなノートパソコンですか? – エンガジェット編集長に相談してみた】
質問:「私はCubase 9.5を利用しています。16GBのRAMと1TBのドライブ、プロセッサi7-8705Gを搭載した15インチのSurface Book 2、HP x360 15t、そして32GBのRAMと1TBのSSDを搭載した新しいDell XPS 15 9570を検討中なのですが、どのノートパソコンが音楽制作にベストでしょうか?」
エンガジェット編集長の回答「DellのXPS 15 9570が最適だと個人的に思う。そしてSSDは、512GBにアップグレードすることを考慮しよう。」
https://www.engadget.com/2018/08/04/best-laptop-for-music-production/
この記事が、優れた音楽制作用のノートパソコンを選択するために必要最低限な知識、そして基準に合ったものを購入するための購入ガイドになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。