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Focusrite社のScarlettシリーズは、世界で最も売れているオーディオインターフェース(*)。機能拡張によって近年も市場シェアが15%成長しています。特に2019年に発売された2i2 3rd Genは安価で評判も良いです。この記事では、Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genの特徴や評価を海外メディアのレビューとともにご紹介します。
*参照:2018年 Focusrite社の発表内容 (https://www.edisoninvestmentresearch.com/?ACT=18&ID=22743&LANG=)
Contents
海外メディアではこんな評価でした。
- 前身モデルの2nd Genから音質も機能も改善
- アワード受賞実績のあるプリアンプはとても高性能
- USB-C接続による高速データ転送は今の時代に最適
こんな人におすすめといわれています。
- これからDTMを始める人
- 宅録プロデューサー (DTMer)
発売からあまり時間が経っていないため数は少ないですが、具体的にいくつか参考になりそうなレビューを抜粋します。
他のオーディオインターフェースのノイズや最悪なドライバーと何年も戦い、髪の毛が抜けるほど疲れ切ってしまった今、Focusriteを手にして、今のところ非常に満足している。
状況:OSはWindows 10、ソフトはCubase 8.5、Premiere Pro、その他もろもろに利用中
長所:小さくて見栄えがよく、電源アダプタがいらない点。 Windows 10へのほぼ完璧なインストールと、さまざまな目的での使用と使用方法に焦点を当てた優れたビデオチュートリアル。
短所:インストール時にちょっと手間取ったけど、その後は問題は起きていない。
引用:https://www.thomann.de/gb/focusrite_scarlett_2i2_3rd_gen_reviews.htm
長所
・新しく改善されたプリアンプ設計。
・「Air」のエミュレーションFocusrite Scarlett 3rd Genの2i2と8i6は、これまで以上に洗練されており、付属ソフトを活用して優れたユーザーエクスペリエンスを提供してくれる。
引用:https://www.thomann.de/gb/focusrite_scarlett_2i2_3rd_gen_reviews.htm
前身モデルの2nd Genからの大きな改善のひとつは、新しいヘッドホンアンプだ。明らかにラウドでクリアになった。
適切なプリアンプ、優れたサウンドは、アイデアを迅速かつ効率的に解決したい中級レベルのベッドルームプロデューサーに最適なオーディオインターフェースだ。
引用:https://producerhive.com/buyer-guides/studio-gear/focusrite-scarlett-3rd-gen-review/
前身モデルである2nd Genと比較すると音が大きくなったという感想をよく見受けました。事実、数値的にも出力・入力ともに明らかに違います。この点は後述します。
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genの構造・デザイン
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genは全体的に金属で構成されており、頑丈かつリッチな見た目です。ツマミも一般的なオーディオインターフェースと遜色のない大きさと使い勝手。出力コントロール用のノブが大きいのが良いですね。2nd Genと比べるとデザインもミニマルになり、大きさもコンパクトになり、持ち運びにも便利になりました。Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genの主な仕様
主な仕様は以下のとおりです。
- オーディオ機能:24-Bit / 192 kHz
- 入力端子: XLR / TRS のコンボ型ジャック × 2
- 出力端子:1/4″TRS × 2
- 電源:USB-Cバスパワー
- Mac、Windowsに対応
- Airモード
- 付属ソフト:Pro Tools | First Focusrite Creative Pack / Ableton Live Lite / XLN Audio Addictive Keys /Softube Time and Tone Bundle / Focusrite Red Plug-in Suite / Focusrite Plug-in Collective / Three Month Splice Sounds Subscription
バンドルされているソフトウェア
- Avid Pro Tools | First Focusrite Creative Pack
- Ableton Live Lite
- XLN Audio Addictive Keys
- Softube Time and Tone Bundle
- Focusrite Red Plug-in Suite
- Focusrite Plug-in Collective
- Three Month Splice Sounds Subscription
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genには、Ableton Live LiteとPro Tools First Focusrite Creative Packが付属しています。つまりAbleton LiveとPro Toolsという異なるDAWの簡易バージョンが付いてくるということです。どういうソフトが自分に最適かが分からない、特にこれからDTMを始める方にはかなりありがたいですよね。
また、SoftubeのTime and Tone Bundle、Focusrite Red Plug-in Suite、Focusrite Plug-in Collectiveへのアクセスも可能です。但し、Pro Tools Firstは、サードパーティのプラグインをサポートしていないそうなので、ご注意くださいね。
今、超話題のサービスSplice Soundsが3か月間無料で使える!
このバンドルの超目玉は、Splice Soundsの無料利用権でしょう。Scarlett購入者にはSplice Soundsの3ヶ月間無料クーポン的なものを提供しています。Spliceの新規アカウント作成時に設定できるようです。
Splice Soundsとは
Splice Soundsとは、高品質でロイヤリティフリーのループ、ワンショット、プリセットを提供する月額課金型のサービスです。お気に入りのサウンドデザイナー、アーティスト、プロデューサーから毎日新作がリリースされ、そのライブラリ数は何百万にも及びます。
なんと、ケンドリック・ラマーやヤング・サグといった米国の超人気アーティストの楽曲でもSpliceの音が使われてるという指摘もあり、そのクオリティと膨大なライブラリの量には、プロ・アマ問わず大きな支持を得ています。
※2020年5月時点のバンドル内容です。時期によってバンドルが変更されている可能性もあるため、購入前に内容は確認された方が良いです。
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genのフロントパネル
向かって左側には、XLR(コンデンサーマイクなどの端子)とTRS(シールドなどのジャック端子)両用のインプットが2つ搭載されています。両方のインプットに挟まれたツマミで、それぞれの入力ボリュームを調整できます。特徴的なのはこのツマミがLEDで囲われていること。音量に問題がなければ緑色が点灯しますが、ボリュームがピーク(音割れ)に近づくと黄色に変わり、ピークを越えると赤く変色します。そのツマミの下には、INST と AIRと表記されたボタンがあります。INSTボタンは、楽器類の直接録音に対応するINST入力と、シンセサイザーなどのライン入力とを切り替えが行えます。AIRボタンを押すと、Focusriteが独自に開発したISAマイクプリアンプが起動します。このAIRの特徴については後述します。
さらに右側にはXLRインプットをコンデンサーマイクでの録音時に必要なファンタム電源供給用に切り替えるボタンがあります。
その下のボタンで、ダイレクトモニターをモノラルで聴くかステレオで聴くかを切り替えることができます。2つのインプットを同時に使って、ステレオ録音を行う際に、ステレオモードにすればヘッドホンなどのモニター出力の左からは1チャンネルの音が、右からは2チャンネルの音が別れて聞こえるようになります。
その右に位置する最も大きいツマミは、背面のアウトプットの出力調整用、最も右側のボタンは1/4 インチのヘッドホンジャックのインプットとそのボリューム調整用のツマミが位置します。
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genのリアパネル
背面はとてもスッキリしています。向かって右側に1/4インチTRS用のアウトプットがあります。
そして左下にはパソコンと接続用のUSBコネクタ。USB 2.0ながらもUSB-Cタイプのコネクタが実装されており、さすが2019年リリースの製品ですね。
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genの録音音質について
24ビット/192khzの高音質サンプリングレート
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genは、最大サンプルレート192kHz、最大ビット深度24ビットに対応。人の可聴範囲以上の高音質での録音が可能です。サンプルレートの値が高いとオーディオ・フリークエンシー(可聴周波数)も高くなり、録音物のスピードを下げるなどの特殊な加工を行う場合は音質を損ないづらくなります。
録音スペックは、ソフトウェアで下げることが可能です。
ダイナミックレンジは110DBとかなり広く、デジタルとアナログ変換(DAC)機能面においてもハイスペック。ダイナミックレンジが広ければより小さい音から大きな音まで拾えるため、文字通り強弱のある音をそのまま録音することが可能で、音割れの可能性が減ります。前身モデルGen2と比べると4dBほど広くなっており、改善ポイントといえます。
優れたノイズ処理能力
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genが搭載する独自開発のマイクプリアンプ「ISA」はノイズ処理能力に優れています。プリアンプのノイズ処理能力の度合いを図るEIN値は-128.1dBu。最も優れた値が-130dBuであることを踏まえると、Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genのノイズ処理能力はかなり優秀ですね。
Shure sm7bなどナレーションでよく使われる出力の低いダイナミックマイクでの録音でも、ノイズはあまり目立ちません。
AIRモードとは?
Focusrite独自のAIRモードは、ハイエンドをユニークに強調してボーカルや楽器を生き生きとさせるためのモード。具体的には高域(1Khz前後から100kHzあたりまで)が強調されるため、とても鮮明になります。
こちらの動画を観ると、そのヌケの良さがはっきりとわかりますね!
もちろん、特定帯域を強調する仕組みのため、フラットなオフ状態と比較すると、数値的には歪み(ハーモニック・ディストーション)の値と、前述のEIN値が-129.1から-126.8に若干増えます。ですが、それでも高音質に分類されるので、大きな問題ではないかと。
3rd Genの2nd Genから改善された点
前身モデルである2nd genとの違いを改めてまとめます。
- 電源・PC接続がUSB-BからUSB-Cに変更
- より新しく優れたドライバーとソフトウェアへのアップデート
- よりクリーンで音量が大きくなったヘッドホン出力
- モノとステレオをスイッチできる「Direct Monitor」ボタン
- ISAマイクプリアンプをエミュレーションしたAir 機能の搭載
- サイズが小さくなった
- 各種ツマミ:長くなり使いやすくなった。金属仕様だった出力レベル調整のツマミがラバー仕様になり、安定した。
下記の図の通り、広いダイナミックレンジ、高い入力・出力レベルに改善された点は大きなポイントではないでしょうかね。
まとめ
海外メディアではこんな評価でした。
- 前身モデルの2nd Genから音質も機能も改善
- アワード受賞実績のあるプリアンプはとても高性能
- USB-C接続による高速データ転送は今の時代に最適
こんな人にお勧めだと思います。
- これからDTMを始める人
- 宅録DTMer
おまけ: Focusriteの歴史
Focusriteの歴史は、1985年にさかのぼります。スタジオ機材メーカーNeveの設立者ルパート・ニーヴに対し、ビートルズのプロデューサーとしても知られるジョージ・マーティンが、自身のスタジオのレコーディングコンソール用のカスタムモジュールを要求したことがきっかけです。
そのスタジオとは、カリブ海の島にあった伝説のAIR Montserrat。ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ローリング・ストーンズ、ポリス、ルー・リード、エリック・クラプトンなどなど、超有名アーティストが使用してきました。
ジョージ・マーティンは、低いノイズと広帯域幅を特徴とした、妥協のないマイクプリアンプとイコライザーをルパート・ニーヴに要求しました。そこで生まれたのがISA-110です。
Focusrite Scarlett 2i2 3rd Genで「Air」としてエミュレーションされたプリアンプISAの原型はここにあるというわけです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ご検討のご参考に、以下も併せて是非。
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