【海外調査】ノートパソコンでの音楽制作・DTMの強い味方|Thunderbolt3 とは?

【海外調査】ノートパソコンでの音楽制作・DTMの強い味方|Thunderboltとは?

Thunderbolt3 は、ノートパソコンでの音楽制作の新しい選択肢といわれ、近年はMacだけでなくWindows機器にも搭載されています。オーディオの権威ある専門家が「プロ用もアマチュア用も、ついにThunderboltの時代が到来した」とまで断言するほどです。この記事ではなぜThunderboltが音楽制作・DTMに最適なのかを説明します。

 

レコーディングや音楽技術関連書籍の世界的権威として知られるクレイグ・アンダートンは、Thunderboltについて以下のように評価しています。

  • Thunderboltは、音楽制作で必要とされる低いレイテンシと正確な時間同期に重点が置かれている
  • Thunderboltを搭載したノートパソコンなら、デスクトップとは異なり、持ち運びが容易で騒音のない静かなレコーディングセットアップを実現できる
  • Thunderboltは、ノートパソコンでのオーディオ制作の新しい選択肢を開くことになるだろう
  • 参照:https://www.uaudio.jp/blog/thunderbolt-basics/

 

詳しく説明していきます。

Thunderbolt 3とは?

Thunderbolt 3は、現在最も高速なデータ転送プロトコルです。短いケーブルで最大40 Gbit/sの転送が可能で、長いケーブルでは最大20 Gbit/sです(※)。USB 3.1 Gen 2 が最大10 Gbit/s なので、最新のUSBの4倍の速度を持っています。

Thunderboltはデータ転送が双方向で可能で、複数のThunderboltデバイスをデイジーチェーン接続して、1つのThunderboltポートを共有することもできます。

※パッシブケーブルかアクティブケーブルかによって異なります。またこれらの数値はベストケースであり、すべての周辺機器がこの速度で動作するわけではありません。

Thunderboltのメリット

データ転送速度が速い=レイテンシがなくなる

Thunderboltのような速度の速いプロトコルを使うと、レイテンシ(音声などの入力・出力時に生じる遅延)のない音楽制作が可能になります。
また、複数のモニターや外付けの高速グラフィックカードを駆動する必要があるという場合にも、Thunderbolt 3がベストの選択肢です。

アクティブケーブルとパッシブケーブル

Thunderboltのケーブルには、アクティブケーブルとパッシブケーブルが存在します。アクティブケーブルには、データ転送を制御するトランシーバーがプラグに内蔵されています。一方パッシブケーブルにはトランシーバーはありません。

0.5m の 一般的なThunderboltケーブルはパッシブケーブルです。0.5m以上の長さになると転送速度が遅くなります。つまりパッシブケーブルは、0.5m以下の長さでのみ40 Gbit/sの通信が可能で、1~2メートルの長さでは20 GBit/sの通信となります。

アクティブケーブルはパッシブケーブルよりも高価で、ケーブルの長さを問わず高速を維持します。どのケーブルを選ぶかに関わらず、ギアへの給電や充電を予定している場合は、予想される最大電流に対応できるかどうかを確認してください。

2メートルの長さで40 Gbit/sの速度を保つには、高価なアクティブケーブルが必要です。

USBと互換性がある

Thunderbolt 3デバイスはUSB周辺機器と互換性があります。つまり、どのThunderbolt 3ポートもUSB 3.1ポートとして利用が可能です。

これは、Thunderboltが、USB-Cタイプのコネクタが採用しているおかげです。これにより、Thunderbolt 3とUSB 3.1 Gen 2(USBの最新世代)の両方でデータや電源の転送が可能になり、規格別に多くのコネクタを搭載する必要がなくなりました。

USB3.1とUSB-Cの違い

USB 3.1 ?USB-C??何が違うの?と混乱する方もいると思うので、ちょっと整理しますね。USB 3.1は、コネクタのデータ速度などの規格を表す言葉です。一方USB-Cは、ケーブルとコネクタの形状を意味する言葉です。つまりUSB-Cはデータ速度や充電能力を示すものではありません。

さらに混乱を招くのは、Thunderbolt 3とUSB 3.1 Gen 2はそちらもUSB-Cタイプのコネクタを使用していること。どちらがどっちなのかわからなくなるかもしれませんので、これも整理しますね。

  • USB-Cコネクタを持つThunderbolt 3デバイス:Thunderboltロゴが表示され、USB周辺機器と互換性がある、どのThunderbolt 3ポートもUSB 3.1ポートとして利用可能。
  • USB-Cコネクタを持つUSB 3.1デバイス:「Thunderbolt」という文字やThunderboltのロゴが横にない限り、Thunderbolt 3の周辺機器には対応しておらず、USB周辺機器にしか対応していない。


USB 3.1 Gen 2デバイスもUSB-Cコネクタを使用していますが、これはUSB周辺機器に接続するためだけのものです(DisplayPortsへの信号送信をサポートしているものもありますが、保証されているわけではありません)。

※ ちなみに、USB-CコネクタはUSB 3.1やThunderbolt 3でなければならないという決まりはないので、可能性は低いもののその他(USB 2.0)の規格のUSB-Cコネクタも存在するかもしれません。

USB 4.について

なお、USB 4の開発は現在進行しており、その中にThunderbolt 3の仕様が含まれているとのこと。つまり、USB 4のポートはすべてThunderbolt対応になるということです。

USB-Cコネクタだから最大15ワットの電源供給が可能

USB-C コネクタの利点の1つは、USB PD (Power Delivery) と呼ばれる USB-C 仕様があることです。USB-Cコネクタを使用しているデバイスは、ThunderboltやUSB周辺機器を使用しているかどうかに関わらず、充電用に最大100ワットの電力を供給することができ、バスパワーのデバイス(オーディオインターフェイスなど)には最大15ワットの電力を供給することができます。

電力供給はデータと共存し、双方向であるため、ホストが周辺機器を充電できるだけでなく、周辺機器がホストを充電することもできます。例えば、ノートPCをUSB-Cコネクタ付きディスプレイに接続してビデオを再生すれば、ビデオを見ながらノートPCのバッテリーを充電することができます。

ただし、上記の数値はあくまで「最大値」です。また、USB-C コネクタを搭載したデバイスが USB PD 仕様に準拠しているという保証はありません。ので注意が必要です。ケーブルやデバイスの仕様をよく読む必要があります。

まとめ

ユニバーサルオーディオのウェブサイトでは、冒頭に紹介したクレイグ・アンダートンは以下のようにThunderboltについてまとめています。

Thunderboltが登場するまでは、コンピュータから周辺機器へのデータの転送は、工事中に高速道路の4車線を1車線に狭めなければならなくなったときに起こる渋滞に似ていたのだ。

テレビは、白黒からカラー、ワイドスクリーン、高精細に進化した。映画は、モノラルの光学式サウンドトラックからマルチチャンネルサラウンドへと進化した。音楽の録音は、16ビット/44.1kHzではなく、24ビット/96kHz(あるいは192kHz)で日常的に行われるようになった。

Thunderboltが対応する市場があるとすれば、それは高解像度のオーディオとビデオだ。そしてアマチュア用機材もプロ用機材もその方向に向かっており、Thunderboltの時代がいよいよ到来したのだと感じる。

https://www.uaudio.jp/blog/thunderbolt-basics/

今回説明した背景により、MacBookにはThunderbolt 3のみが搭載されるようになり、クリエイター向けのWindowsのマシンにも徐々にThunderbolt 3が搭載されだしているわけですね。

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著者のノートパソコンには残念ながらThunderboltは未搭載です。今回の調査でそのメリットと将来性がよくわかったので、次は必ずThunderboltが搭載されたマシンを購入します笑

Photo by Markus Winkler on Unsplash